東京都音楽教育研究会 <都小音研>のあゆみ

  本研究会の結成大会が行われたのは昭和33年10月、折しも小学校学習指導要領が初めて告示されたときのことでした。都小音研の歴史は、まさに戦後の小学校教育の歩んできた道のりと重なり合うものです。本研究会の発足以前には、東京には三つの音楽教育研究団体があり、主張の細かい違いもありましたが、全都的な音楽研究団体として一体化していった実績は高く評価されるものだと考えます。
 これまで本研究会は、それぞれの時代の要請に積極的に取り組んできました。例えば昭和33年の学習指導要領での領域を受けて、昭和36年には領域別研究部門を設けて研究に当たりました。これがやがてサークルに発展し、現在の各種研究会へと続いています。また、これまでの研究主題を見ると、昭和43年改定での「基礎」の内容を受けての、基礎を身に付けることの研究、昭和52年改訂の趣旨を生かした音楽の愛好心を育てる研究、平成元年改訂での「個性的、創造的な学習活動」を踏まえた研究を経て、現在の研究主題「心にひびく音楽を求め 自らを高める子どもを育てよう」につながっています。
 さらに、研究大会も領域別内容の大会から、地区大会、ゾーン大会へと発展してきました。区市との連携から、さらに広域的な連携という時代の流れもさることながら、各ゾーン大会を一巡する中で、教科等の研究内容では、初めて島しょでの大会も実現しました。
 現在、都小音研では、東京都の小学校における音楽教育の充実と発展のために、会員相互の研修と親睦を図りながら、様々な活動を行っています。事業関係では研究会、講演会、講習会、機関誌の発行などを手掛けています。十の各種研究会は毎月熱心な研究活動を、理事会・常任理事会では、各地区の組織としての統一を図りながら毎月情報交換や研修会を行っています。今後も音楽科教育の役割を見据え、新しい音楽教育の実現に向けて、組織をあげての努力が必要であると考えています。