Top > 高等学校芸術科「音楽」に関する要望書(平成18年10月26日)

高等学校芸術科「音楽」に関する

要  望  書

 

全日本音楽教育研究会高等学校部会
平成十八年度研究大会神奈川大会総会 参加者一同
会長校 埼玉県立芸術総合高等学校 
埼玉県所沢市三ヶ島2−695−1
電 話 04−2949−4052
 

高等学校芸術科「音楽」に関する要望



 高等学校の音楽教育に携わる私たちは、音楽の授業を通して、高校生の感性を高め、確かな表現力を身に付けさせ、豊かな情操を養わせたいと考え、日々努力を重ねております。
 そのため、高等学校の芸術科「音楽」に関し、次の四項目についての整備・充実が是非とも必要であり、ここに要望いたします。

一、 すべての高等学校で、生徒が音楽の授業を履修できるようにすること
一、 教育課程においては、選択必履修科目である音楽I二単位のほか、音楽Uと音楽Vについても希望する生徒が引き続き選択できるよう保障すること
一、 教育課程に音楽を置く全ての高等学校に音楽専任教諭を配置すること
一、 音楽教室の諸施設・設備の改善・充実を図ること

【理由】
 高校時代は、人生で最も多感な時期であり、生徒たちが大人へと精神的に著しい成長をとげる重要な時期であります。この時期に多くの素晴らしい芸術作品と出会い、また充実した芸術活動を行なうことは、一人一人の人格形成において、かけがえのない大きな意味を持っています。
 特に、音楽に接することは、人と人とが心の奥深くでつながり合える喜びを経験する最も良い機会となるものです。高校の音楽の授業において私たちは、小・中学校での音楽学習を基盤としながら、生徒たちが個性と感性をさらに磨くとともに、互いの違いを尊重しつつ、感動の共有に至るという体験を持てるよう指導してまいりました。
 今日わが国は、自然や生活環境の破壊、心の空洞化などの諸問題を抱え、青少年の心身の成長にも様々なゆがみを生じさせています。このような時代であるからこそ、感性を高め、豊かな情操を養い、生涯にわたって音楽を愛好する心情を育てることによって、健全な心の発達を促す学校音楽教育の重要性が強く認識されなければなりません。
 さらに、今日の社会においては、豊かな創造性や個性的な発想が求められておりますが、これこそ芸術教育を通して培われる能力であり、学校における芸術科の重要な役割であります。
 幸いこの理念は、文化芸術振興基本法や教育課程審議会の答申、及び高等学校学習指導要領に反映されております。また、先般の国会に提出された「教育基本法改正案」の前文にも、「豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成」また、「新しい文化の創造を目指す教育の推進」と明確に謳われているところであります。しかし、現実には、週五日制の完全実施や新しい教科・科目の導入に伴い、芸術の授業時間が削減され、教員の採用が減少するなど、芸術教育を取り巻く環境は大変厳しい状況にあります。
 私たちは音楽教育に携わる者として、ここに高等学校芸術科「音楽」の果たす役割を強く認識するとともに、全国の会員が手を携えて、高等学校における音楽教育の充実と発展に向けて、鋭意努力を重ねてまいることを決意するものです。
 新しい時代を担い、心豊かにたくましく生きる高校生を育成するため、上記の四項目を、平成十八年度全日本音楽教育研究会高等学校部会全国大会総会の総意として、関係諸団体に対し強く要望いたします。

   平成十八年十月二十六日 

全日本音楽教育研究会高等学校部会
平成十八年度研究大会神奈川大会総会
会長 八木原 宗夫
参加者一同

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